キャンピングカーは、車内で快適に過ごせるように様々な設備が備わっている特別な車です。キャンピングカーには、分類番号が8から始まる「8ナンバー」と呼ばれるものがあります。8ナンバーとは、特種用途自動車として登録された車のことで、キャンピングカーのほかにも救急車や消防車などが該当します。
8ナンバーのキャンピングカーには、自動車税や自動車重量税などが安くなるというメリットがありますが、一方で構造要件や車検期間などにも注意が必要です。
この記事では、キャンピングカーを8ナンバーにするメリットやデメリット、条件や税金などを詳しくご案内します。キャンピングカー 8ナンバー メリットを知りたい方は、ぜひお読みください。
キャンピングカー8ナンバーのメリットとは?特種用途自動車の基礎知識
キャンピングカーは、車内で快適に生活できるように設備が整えられた自動車です。キャンプや旅行などのレジャーに最適な車として人気がありますが、その登録方法や税金などについてはあまり知られていません。
特に、キャンピングカーの分類番号が8で始まる「8ナンバー」に関する情報は少なく、メリットやデメリットがわかりにくいと感じる方も多いでしょう。
そこで、この記事ではキャンピングカー 8ナンバー メリットについて詳しく解説します。まずは、8ナンバーとはどんな車なのか、特種用途自動車という分類の意味や種類を見ていきましょう。
8ナンバー車とはどんな車?特種用途自動車の定義と種類
8ナンバー車とは、分類番号が8で始まるナンバープレートを持つ自動車のことです。道路運送車両法における正式名称は「特種用途自動車」と呼ばれ、使用用途が特殊であることや、構造要件を満たしていることが条件となっています。
特種用途自動車には、以下のような4つの大きなカテゴリがあります。
- 緊急自動車:救急車や消防車など、緊急時に活動するための専用装備を持つ自動車
- 特定事業遂行自動車:給水車や採血車など、法令等で特定されている事業を行うための専用装備を持つ自動車
- 特種な目的に専ら使用するための自動車:粉粒体運搬車や現金輸送車など、特殊な物品を運搬するための専用設備を持つ自動車や、患者や車いす利用者等を輸送するための専用設備を持つ自動車、消毒車やボイラー車など、特殊な作業を行うための専用装備を持つ自動車
- キャンプや宣伝活動のための自動車:キャンピングカーや放送宣伝車など、キャンプや宣伝を行うために必要な設備が設置されている自動車
この中で、キャンピングカーや宣伝活動のための自動車は比較的一般的に見かけることができる8ナンバー車です。
キャンピングカーは、ベッドや水道・炊事設備など、車内で生活できるように必要な設備が備わっていることが条件となっています。
その他の詳しい条件に関しては、国土交通省が定めるガイドラインでチェックできます。
宣伝活動のための自動車は、スピーカーやビデオスクリーンなど、宣伝を行うために必要な設備が備わっていることが条件となっています。
8ナンバーにするメリットは?税金や高速料金などの費用面の比較
8ナンバーにすることの最大のメリットは、維持費や税金などの費用が安くなることです。そのため、1990年代には簡単な改造で8ナンバーとして登録し、普段はパーツを取り外して普通乗用車として乗るといった不法改造が増加しました。
しかし2001年にキャンピングカーの構造要件が厳格化され、さらに登録変更の際にも運輸支局や自動車検査登録事務所に車を持ち込んで検査を受けなくてはならず、簡単には8ナンバーの取得はできなくなっています。
では、具体的にどのような費用が安くなるのでしょうか。ここでは、8ナンバー車と普通乗用車(3ナンバー)や小型貨物車(4ナンバー)との比較をしてみましょう。
自動車税
自動車税は、毎年4月1日から翌年3月31日までの期間に使用する自動車に対して課される税金です。自動車税の額は、自動車の種類や排気量によって異なります。特種用途自動車の場合、排気量が1.0L以下(電気自動車含む)であれば20,000円、1.0L超〜1.5L以下であれば24,400円、以降0.5Lごとに4,400円ずつ増えていきます。
一方、普通乗用自動車の場合、排気量が1.0L以下(電気自動車含む)であれば25,000円、1.0L超〜1.5L以下であれば30,500円、以降0.5Lごとに5,500円ずつ増えていきます。小型貨物自動車の場合は、排気量が1.0L以下(電気自動車含む)であれば16,400円、1.0L超〜2.0L以下であれば32,800円、以降0.5Lごとに8,200円ずつ増えていきます。
つまり、同じ排気量の特種用途自動車と普通乗用自動車では、特種用途自動車のほうが自動車税が安くなります。例えば2.0L超〜2.5L以下の場合、特種用途自動車は34,800円ですが、普通乗用自動車は43,500円です。差額は8,700円です。小型貨物自動車と比べても同じく特種用途自動車のほうが安くなります。
同じ排気量の特種用途自動車と小型貨物自動車では、特種用途自動車のほうが自動車税が安くなります。例えば2.0L超〜2.5L以下の場合、特種用途自動車は34,800円ですが、小型貨物自動車は49,000円です。差額は14,200円です。
任意保険の種類とメリット・デメリット
任意保険には、賠償責任保険、傷害保険、車両保険などがありますが、それぞれの補償内容や適用範囲が異なります。また、キャンピングカーは特殊用途自動車として分類されるため、一般的な自動車とは異なる点もあります。
例えば、車内設備や荷物も補償対象となる場合があることや、保険会社によっては加入できない場合があることなどです。このように、任意保険の種類とメリット・デメリットを知ることで、自分のニーズに合った保険を選ぶことができます。
保険料の相場と見積もり方法
キャンピングカーの保険料は、一般的な自動車よりも安くなる可能性があります。これは、キャンピングカーは利用頻度が低く、スピードも出にくいため大きな事故につながるケースが少ないからです。しかし、保険料は利用する保険会社やプランによって異なります。
また、キャンピングカーの装備や改造度によっても変わります。そのため、自分のキャンピングカーの状態や希望する補償内容を明確にして、複数の保険会社から見積もりを取ることが重要です。
保険プランの特徴とおすすめの保険会社
キャンピングカー専用の保険プランとは、キャンピングカーに特化した補償内容やサービスを提供するプランです。例えば、トレーラータイプの場合は牽引車と切り離された状態でも補償されるプランや、一体型の場合は車内設備や荷物も補償されるプランなどがあります。
また、キャンピングカー専用の保険プランを取り扱っている保険会社もあります。例えば、シェアティブ、セゾン、あいおいなどがあります。これらの保険会社は、キャンピングカーの特性やニーズを理解しており、専門的なアドバイスやサポートを受けることができます。
車検と構造変更申請の流れと必要書類
キャンピングカーは、普通乗用車や小型貨物自動車から特種用途自動車(8ナンバー)に登録変更する際には、構造変更申請が必要です。
構造変更申請は、運輸支局や軽自動車検査協会に車検証や構造変更申請書を提出し、1週間程度書類審査に時間がかかります。書類審査が通れば、自動車検査登録事務所での検査を受けることができます。このとき、変更した部分を証明する写真や図面なども必要です。
また、自動車税や自動車重量税なども変更される場合があるため、納税証明書も用意しておきましょう。
車検費用の内訳と節約方法
キャンピングカーの車検費用は、一般的な自動車よりも高くなる場合があります。これは、キャンピングカーは重量や排気量が大きく、自動車税や自動車重量税が高くなるためです。
また、キャンピングカー専門の整備工場が少ないため、整備費用も高くなる可能性があります。キャンピングカーの車検費用は、大きく分けて以下の4つから成ります。
- 自動車税:年間で納付する税金で、排気量に応じて決まります。
- 自動車重量税:2年ごとに納付する税金で、重量に応じて決まります。
- 自賠責保険料:2年ごとに納付する保険料で、全国一律です。
- 検査手数料:2年ごとに納付する手数料で、運営者(国または民間)によって異なります。
- 整備費用:車検時に必要な整備や部品交換の費用で、整備工場によって異なります。 キャンピングカーの車検費用を節約する方法としては、以下のようなものがあります。
- 自動車税や自動車重量税は、クレジットカードで支払うことでポイントやキャッシュバックを得ることができます。
- 自賠責保険料は、任意保険に加入している場合は割引されることがあります。
- 検査手数料は、民間の検査場を利用することで安くなる場合があります。
- 整備費用は、自分でできる範囲の整備や部品交換を行うことで安くなる場合があります。
車検を受けるための整備ポイントと注意事項
キャンピングカーは、普通乗用車と同じように道路運送車両の保安基準に適合していることが必要です。そのため、車検時には以下のような点をチェックされます。
- ライトやウインカーなどの灯火類
- ブレーキやハンドルなどの制動装置や操縦装置
- タイヤやホイールなどの走行装置
- マフラーや触媒などの排気装置
- ワイパーやミラーなどの視界確保装置
- ナンバープレートやステッカーなどの表示装置 これらの点については、自分で点検や調整を行うことができます。また、キャンピングカーに特有の点としては以下のようなものがあります。
- キャンピングカー専用部品(ルーフ・ラックやエア・スポイラなど)が適切に取り付けられているか
- キャンピングカー専用設備(キッチンやベッドなど)が構造要件に適合しているか
- キャンピングカー専用設備(ガスや電気など)が安全に使用できるか これらの点については、専門的な知識や技術が必要な場合があるため、整備工場に依頼することも考えましょう。